今月の一枚

2005年3月 ライカDIII ズノー35mmF1.7

作例1 F11 1/200  フジ プロビア100F (RDPIII)

 

解説

たまたま早田カメラ店に非常に珍しいズノー35mmF1.7レンズが在庫していたので、借り出して写真を撮影することができました。これは先月の中古カメラ市で売れてしまったため、現在はもうありません。

ライカマウント用のズノーレンズは、50mmF1.1新・旧、50mmF1.3、50mmF1.9、100mmF2と、今回とりあげた35mmF1.7の5本が知られています。この中でもっともよく見かけるのは発売当時世界最高の明るさを誇った50mmF1.1レンズで、その次がこの35mmF1.7でしょう。残りの3本は、滅多に目にできない珍品です。

私の知人には、このズノー35mmF1.7を持っている方が数名いらっしゃるのですが、描写性能について聞いてみるとあまりよい答えが返ってきません。 早田もこいつは絞ってもぜんぜんだめだ、というような具合です。

ともかく実写してみるしかないと思い、早田カメラの吉川主席研究員の手による超静音整備が済んだばかりの私のライカDIIIに装着して、撮影してみました。その結果が今回の写真です。この写りでだめだとすると、だめでない広角35mmレンズを探すのは至難ではないでしょうか。いわゆる「コレクター」さんは、珍品レンズが手にはいるとそれで満足してしまい、写真をきちんと撮らないのではないかと思う次第です。

ズノー35mmF1.7は5群7枚構成のガウスタイプのレンズで、絞り羽根は8枚、最小絞りF22、最短撮影距離3.5feet(約1m)、フィルター径46mm、重量182gのコンパクトなレンズです。現在もF1.7という明るさは、大変魅力的です。

1月からこれで3ヶ月連続でズノーレンズをとりあげていますが、ズノーはなかなか目にすることができないレンズですから、やはり今年は大変に幸運な年だと思います。皆様にも大きなツキが訪れますように!!