今月の一枚

2007年6月 エルマー65mmF3.5

レンズ単体。

OTZFO。

Rayqual製VISO-NikonFアダプターを介してニコンFに装着したところ。

作例1 小岩菖蒲園 ニコンF4S 絞りF8 AE フジSP100

作例2 花菖蒲  ニコンF4S 絞りF5.6 AE フジSP100

作例3 ウチョウラン  ニコンF4S 絞りF4.5 AE フジSP100

作例4 ウチョウラン ニコンD2X 絞りF8 AE ISO200

 

解説

エルマー65mmF3.5レンズはビゾフレックスで使用する、主に接写用途向けのレンズで3群4枚構成です。カナダ・ライツ社が設計・製造し、1960年から販売されました。

レンズ単体ではヘリコイドがないため使用できません。撮影には蛇腹を内蔵したヘリコイドリングOTZFO/16464Kに装着するか、アダプターリング16558Zを併用してベローズⅡ型に装着してビゾフレックスⅡ、Ⅲ型で使用します。またライカRシリーズ用のマウントアダプターを使用してRシリーズ一眼レフで使用することもできます。TTL露出計を使用できるという点など、こちらのほうが撮影はより容易になります。

エルマー65mmレンズは接写用といってもいずれの組み合わせでも無限遠から撮影可能で、OTZFOを使用した場合33cm(1:2.5)までの近接撮影ができます。絞りはプリセット式で、レンズ先端のリングで絞り込む位置を設定し、後部のリングで絞り操作を行います。

このレンズは質感にあふれた精密な描写をするレンズで、エルマー族の中では最高という意見も少なくないようです。接写時の性能ももちろんすばらしいものです。ライツの数多い名玉の中でも、手元にぜひ欲しい一本と言えるのではないでしょうか。

このレンズは最初はクローム仕上げで最小絞りがF16でしたが途中でF22となり、さらに1970年に再設計されブラッククローム仕上げになりました。ブラッククローム仕上げのレンズは数が少ないです。フィルター径は初期型はE41、後期はシリーズVI型を使用します。

さて、実は今回はライカRシリーズ用ではなく、宮本製作所製RayqualブランドのVISO-NikonF用アダプターを併用して、ニコンF4およびD2Xで撮影した作例写真をご覧に入れます。非常に精密に製作されたアダプターですから、ピントなどの心配は無用で、これも無限遠からの撮影が可能です。最近はこうしたビゾ用レンズの各社一眼レフカメラ用マウントアダプターがいろいろなメーカーから発売されて入手しやすくなりました。

エルマー65mmF3.5レンズのメンテナンスもお受けいたしております。オーバーホール料金は18,000円(税別)です。