弊社の修理はオーバーホール処置を基本としています。オーバーホールの作業内容の詳細は、下記にまとめました。現在正常に稼働しているカメラの場合、通常はオーバーホールの範囲内ですべての処置が完了いたします。部品の摩耗や破損等により部品交換が必要な場合、またレンズの再研磨などの特殊作業が必要な場合、これらは別料金となります。特殊作業の内容は多岐にわたりますが、よくお受けしている内容については、下記にお示しいたしました。
一部のカメラについては、オーバーホールに加えて追加の特殊作業が必要な場合がほとんどであるため、これらをひとまとめにしたセット方式とし、料金も個別の処置を積み上げた場合よりもかなりお得に設定しております。これらは機種ごとに作業内容と料金をお示しいたしました。
なお、お預かりする時点でひどく破損していたり、極端に状態が悪いカメラやレンズについては、修理ができないこともあります。また交換部品が必要にもかかわらず、交換部品の準備がないもの、そして交換部品の入手ができないものについては、修理不能となる場合があります。修理不能の場合には、原則として分解等の費用はいただかず、無償でご返却いたします。ただし弊社の年会費はいただきます。
弊社では修理処置後のカメラやレンズに対して、原則として一定期間(現在特殊な機種をのぞいてお渡し後1年間)保証を付与いたしております。保証期間中に不具合が生じた場合、再修理の作業料金はいただいておりません。ただし部品交換が必要な場合には、部品代のみいただきます。このように十分な保証を適用するにあたり、修理作業はカメラやレンズ全体の状態を可能な限り良好な状態とするため、弊社で過去にオーバーホールを行ったものをのぞき、必ずオーバーホールを行わせていただいております。つまりカメラやレンズの全体を点検させていただき、必要な修理・整備を行います。弊社ですでにオーバーホールを行った履歴のあるカメラやレンズで、保証期間を経過している場合には、状態に応じて問題箇所のみを修理する部分修理をお受けいたします(ただし弊社会員であることが条件です)。
以上、ご不明の点はお問い合わせください。
オーバーホールの処置内容
弊社で修理をはじめてお受けするカメラやレンズの場合には、原則としてオーバーホールを行います。オーバーホールの具体的な内容は以下のとおりです。各項目のリンクをたどると、詳細をご覧いただけます。
レンズ交換式カメラボディの場合
- シャッター機構部の分解整備と速度調整
- 巻き上げ機構部の分解整備
- ファインダー光学系の分解清掃
- 一眼レフカメラの場合、スクリーン清掃
- 距離計内蔵カメラの場合、距離計の分解清掃、測距調整、上下像ずれ調整
- ハーフミラー式距離計の場合、必要があればハーフミラー交換
- 遮光材劣化の場合、交換
- 外観一般清掃
レンズ交換式カメラ用撮影レンズの場合
- 光学系分解清掃、無限遠位置ピント確認あるいは調整
- 絞り機構部動作不良の場合、分解修理
- 絞り羽根汚れの場合、分解清掃
- ヘリコイド動作不良の場合、油入れ替え
- 外観一般清掃
レンズ内蔵型カメラの場合
- シャッター機構部の分解整備と速度調整
- 巻き上げ機構部の分解整備
- ファインダー光学系の分解清掃
- 一眼レフカメラの場合、スクリーン清掃
- 距離計内蔵カメラの場合、距離計の分解清掃と測距調整、上下像ずれ調整
- ハーフミラー式距離計の場合、必要があればハーフミラー交換
- 遮光材劣化の場合、交換
- 赤窓フィルム劣化の場合、交換
- 撮影レンズ光学系分解清掃、無限遠位置ピント確認あるいは調整
- 絞り機構部動作不良の場合、分解修理
- 絞り羽根汚れの場合、分解清掃
- ヘリコイド動作不良の場合、油入れ替え
- 外観一般清掃
指定箇所修理(特別修理)
部品交換が必要な場合や、オーバーホールの範囲を越える修理が必要な場合、指定箇所修理が追加となります。この場合指定箇所修理費用がオーバーホール料金に追加となります。主な例としては、以下のような内容です。
- フォーカルプレーンシャッターではシャッター幕不良の場合、幕交換(一部の機種ではオーバーホール料金あるいはセット料金に含まれます)
- レンズシャッターではシャッター羽根不良の場合、羽根交換
- グッタペルカあるいは貼り皮の貼り直し、あるいは全体の交換
- 一眼レフのペンタプリズム銀浮きの場合、再蒸着修理あるいは交換(一部の機種ではセット料金に含まれます)
- レンジファインダーがプリズム式の場合、反射面再蒸着修理
- アルバダ式ファインダーのアルバダ再蒸着修理
- レンズ表面の傷あるいはクモリの再研磨および再コーティング
- コーティングのないレンズのモノコーティング処理
- 絞り羽根不良の場合、羽根交換
- レンズヘリコイド歪みの場合、ヘリコイド矯正あるいは摺り合わせ修理
- 蛇腹不良の場合の補修、あるいは蛇腹新品交換(在庫がない場合特注製作可能です)
- たすき繰り出し式カメラのたすき歪みの矯正
- その他、各部部品交換が必要な場合等
修理内容のご紹介
カメラボディ
- レンズシャッター機構部の分解整備と速度調整
レンズシャッター式カメラの場合、調速機構部、セルフタイマー機構部(ある場合)を分解整備いたします。シャッター羽根あるいは絞り羽根に油汚れや錆が生じている場合、分解清掃いたします。ただし錆の場合には錆跡が残る場合があります。
各部再組み立て後、速度調整、シンクロタイミング調整(X接点)、各部動作点検等を行います。納品書にはシャッター速度を計測したデータをおつけいたしますので、撮影の際の参考にしてください。 - フォーカルプレーンシャッター機構部の分解整備と速度調整
フォーカルプレーンシャッター式カメラの場合、調速機構部の分解整備を行い、再組み立て後速度調整いたします。またシンクロ同調の調整もX接点について行います。納品書にはシャッター速度を計測したデータをおつけいたしますので、撮影の際の参考にしてください。なおシャッター幕およびリボン損傷の場合、幕交換およびリボン交換が必要ですが、これは特別修理となり別料金となります。 - 巻き上げ機構部の分解整備
フィルム巻き上げ機構部、フィルムカウンター機構部など、巻き上げに関する機構の分解整備と動作調整をいたします。 - 距離計の分解清掃とハーフミラー交換
距離計内蔵カメラの場合、距離計光学系の分解清掃をいたします。ハーフミラー式距離計で、ハーフミラーの劣化がある場合、ハーフミラー部品を交換いたします(通常はオーバーホール料金に含まれますが、カメラによっては追加費用が発生する場合もあります)。再組み立て後、距離計の連動調整、上下像ずれ調整をいたします。
なおプリズムブロック式距離計で反射面不良が生じていて、バルサムをはがして反射面を再蒸着する修理が可能な場合には、特別修理となり別料金です。 - ファインダー光学系の分解清掃
ファインダー光学系の分解清掃をいたします。一眼レフカメラの場合には、プリズム、スクリーンやコンデンサーレンズの清掃をいたします。 - 遮光材劣化の場合、交換
遮光材が劣化している場合、交換いたします。特にモルトと呼ばれるスポンジ状の遮光材(モルトプレーンゴム)は加水分解による劣化が短期間で生じるため、交換が必要な場合がほとんどです。全交換いたします。 - 赤窓フィルム劣化の場合、交換
裏蓋に赤窓があり、それを利用してフィルム送りを行うカメラでは、赤窓に使用されている赤色のフィルムが劣化している場合、交換が必要です。 - レンズ交換式カメラの場合、カメラバックの確認と調整
レンズマウント面からフィルム面までのカメラバック(フランジバック)を確認し、不良の場合調整いたします。なお調整に研削工程が必要な場合には、別料金となります。 - 外観一般清掃
分解時に外装部品等を清掃いたします。なお外装革の再製作、錆落としと塗装のし直しなどは別料金になります。また特別処置として外観のレストアや、黒塗装、箔加工なども承りますが、別途お見積もりいたします。
レンズ
- 光学系分解清掃、無限遠位置ピント確認あるいは調整
光学系の分解清掃を行います。再組み立て後、無限遠位置でのピント確認あるいはピント調整を行います。 - 絞り機構部動作不良の場合、分解修理
絞り機構部の動作不良が生じている場合、分解修理いたします。一眼レフ用レンズの自動絞り機構の動作調整もいたします。 - 絞り羽根汚れの場合、分解清掃
絞り羽根に油汚れや錆が生じている場合、分解清掃いたします。なお錆の場合には錆跡が残る場合があります。 - ヘリコイド動作不良の場合、油入れ替え
ヘリコイド動作が円滑でない場合、油入れ替えと動作調整を行います。ヘリコイドが長年の無理な使用で摩耗している場合や落下等による歪みが生じている場合、摺り合わせ研磨で修理できる場合がありますが、これは特別修理となり別料金です。損耗が激しい場合には、修理しても完全には直らない場合もございますし、修理不能となる場合もございます。 - 外観一般清掃
分解時に外装部品を清掃いたします。なお文字入れをご指定いただいた場合、別料金となります。
指定箇所修理(特別修理)
- フォーカルプレーンシャッターではシャッター幕不良の場合、幕交換
- レンズシャッターではシャッター羽根不良の場合、羽根交換
- グッタペルカあるいは貼り皮の貼り直し、あるいは全体の交換
- 一眼レフのペンタプリズム銀浮きの場合、再蒸着修理あるいは交換
- レンジファインダー(距離計)がプリズム式の場合、反射面再蒸着修理
- アルバダ式ファインダーのアルバダ再蒸着修理
- レンズ表面の傷あるいはクモリの再研磨および再コーティング
- コーティングのないレンズ、あるいは劣化したコーティングの再コーティング
- バルサム貼り合わせ面のバルサム切れ修理
- 絞り羽根不良の場合、羽根交換
- レンズヘリコイド歪みの場合、ヘリコイド矯正あるいは摺り合わせ修理
- その他、各部部品交換が必要な場合
- ロールフィルムホルダーの製作
- 外装のレストア
- フォーカルプレーンシャッターではシャッター幕不良の場合、幕交換(一部の機種ではオーバーホール料金あるいはセット料金に含まれます)
フォーカルプレーンシャッターの布製シャッター幕が経年劣化している場合、シャッター幕を交換いたします。またリボンが切れている場合、リボン交換いたします。戦前のコンタックスのように、オーバーホールにあたってはリボン交換が必ず必要な機種では、オーバーホール料金にリボン交換費用が含まれます。さらに国産一眼レフなどでセット料金が設定されている場合も、その中に含まれています。
なおシャッター幕は、機種によってあるいは部位によって厚さが異なりますので、数種類の中から最適なものを使用いたします。 - レンズシャッターではシャッター羽根不良の場合、羽根交換
レンズシャッターではシャッター羽根が折れたり一部破損しているケースがありますが、部品交換いたします。なお特殊な機種では部品がご用意できないため、修理不能の場合もあります。その場合部品取り用のカメラをご提供いただければ、修理できる場合もあります(詳細はお問い合わせください)。 - グッタペルカあるいは貼り皮の貼り直し、あるいは全体の交換
ライカのグッタペルカは樹脂素材で、はがれた場合には貼り直し修理が可能な場合が多いです(ただしライカM4以降のカメラは貼り直し修理となります)。いくつかの大きな破片に分かれてしまった場合でも修復が可能ですので、破片をなくすことなくお持ちください(破片の縁が欠けている場合にはそこを埋めることになりますので、元通りのきれいな状態にはなりません)。なお破片がない場合やはがれた部分が大きい場合、完全にきれいな状態にしたい場合には、ビニール系の別素材による新品貼り替えとなります。
一般的なカメラで貼り皮がはがれてしまった場合には、貼り直しができます。はがれた皮をなくした場合、同種素材を型どりして貼り革をつくり、修復することが可能です。貼り皮全体の交換も可能です。 - 一眼レフのペンタプリズム銀浮きの場合、再蒸着修理あるいは交換(一部の機種ではセット料金に含まれます)
一眼レフのペンタプリズムの蒸着反射面が経年劣化や押さえのモルト劣化のためにはがれてきた場合(一般に銀浮きと言います)、蒸着反射膜を除去し、再度反射膜を蒸着する修理が可能です。これにより一眼レフのファインダーの見え方は劇的に改善いたします。ただし一部の機種では、再蒸着しても頂角部の線が薄く残る場合があります。
修理料金はカメラ機種によって異なります。修理のご依頼が多い国産一眼レフ機種では、プリズムの銀浮きが常態化しているものが多く、オーバーホール料金の中にプリズム再蒸着あるいは蒸着済みプリズムの交換費用が含まれている場合がございます。修理お問い合わせの際にご確認ください。 - レンジファインダー(距離計)がプリズム式の場合、反射面再蒸着修理
ライカM各型やニコンS各型、距離計式コンタックス、距離計式キヤノンなど、ファインダーや距離計部にハーフミラーではなくてプリズムを採用している機種の場合、プリズム内部の反射面が劣化して二重像が薄いなどの問題が生じている場合、プリズムのバルサム貼り合わせ面をはがして分解し、古い反射面を除去後、反射面の再蒸着を行うことで元の見え方を復元する修理が可能です。
同様の問題は、スーパーイコンタ各型のように距離計内部に棒プリズムを採用してる機種でも生じますが、これも修理が可能です。
費用は機種によって異なりますので、お問い合わせください。 - アルバダ式ファインダーのアルバダ再蒸着修理
コンタフレックス(二眼レフ)やスーパーイコンタ、イコフレックスⅢ型などのアルバダ式ファインダーで、アルバダ面が劣化して黄化している場合など、劣化した反射面を除去し、反射面を再蒸着して修理することが可能です。 - レンズ表面の傷あるいはクモリの再研磨および再コーティング
レンズの表面に傷が生じて撮影結果に悪影響がある場合、再研磨修理で性能を復活させることが可能な場合があります。またレンズのクモリが清掃では除去できない場合も、再研磨が必要です。再研磨後は必要に応じてコーティング処理も行います。ただしマルチコートはできません。レンズの再研磨等の作業は、長年にわたる信頼関係がある山崎光学写真レンズ研究所に依頼して行います。
再研磨後はレンズのピント位置の調整が必要ですが、再研磨修理はレンズのオーバーホールと組み合わせでご依頼をいただくことなりますので、ピント調整は必ず実施いたします。
なお以下のレンズについては再研磨修理はできません。
・直径が16mm以下のレンズ
・直径が60mmを越えるレンズ
・レンズがカシメ止めで取り外せない場合
・バルサム貼り合わせで、貼り合わせ面を分解できない場合(レンズによって可能な場合あり)
・光学系の内部のレンズ(中玉) - コーティングのないレンズ、あるいは劣化したコーティングの再コーティング
戦前のレンズなどでコーティングのないレンズの描写を改善したい場合、あるいはコーティングが劣化している場合など、再コーティング処置が可能です。実際にはコーティングをする前にレンズ表面を整える軽い研磨を行う必要があるため、再研磨と費用等は同じです。なおコーティングはモノコートとなります。 - バルサム貼り合わせ面のバルサム切れ修理
レンズのバルサム貼り合わせ面が劣化し、バルサム切れが生じている場合、バルサム貼り直し修理が可能です。ただし最近のレンズで貼り合わせに紫外線硬化樹脂などの特殊な接着剤を使用している場合、特殊溶剤を使用してもレンズをはがすことができない場合があります。はがれない場合は修理不能となります。またレンズがカシメ止めで外れない場合も修理不能です。 - 絞り羽根不良の場合、羽根交換
絞り羽根がなんらかの理由で損傷して正常に動作しない場合、絞り羽根の交換が必要です。交換部品がご用意できない場合には、修理不能となります。その場合部品取り用のカメラをご提供いただければ、修理できる場合もあります(詳細はお問い合わせください)。 - レンズヘリコイド歪みの場合、ヘリコイド矯正あるいは摺り合わせ修理
落下などの強い衝撃により、ヘリコイド部品が歪んだ場合、ヘリコイドの回転がスムーズになるようにする修理が可能な場合があります。損傷の程度がひどい場合、修理不能となります。 - その他、各部部品交換が必要な場合
落下などによって部品が歪んでいたり損傷が著しい場合、あるいはレチナなどの機種でカウンターが0になって巻き上げが停止した状態で無理矢理巻き上げを行ったために内部のギアが損耗した場合など、当該部品の交換が必要です。ただし交換部品のご用意ができない場合、修理不能となります。 - ロールフィルムホルダーの製作
戦前のハンドカメラなど、乾板を使用するカメラは撮影に使用することができません。しかし後部に装着するロールフィルムホルダーを製作することで、撮影可能とすることができます。ブローニー判(120判)フィルムを使用しての撮影が可能になります。
ロールフィルムホルダーを装着する場合、カメラボディの改造をまったく必要としないケースと、改造が必要なケースがございます。弊社ではいろいろなカメラでロールフィルムホルダーを製作した実績がございますので、ご相談ください。 - 外装のレストア
外装が皮貼りを主体としているカメラの場合、通常の整備に加えて、外装を非常にきれいに仕上げることが可能です。具体的にははがれた塗装部の再塗装、皮の染め直し、各部の磨きだし、文字入れ等を行い、オリジナルの状態にできるだけ近づけるようにいたします。コレクション用カメラにおすすめいたします。なお金属製カメラボディの再塗装は行っておりません。
修理ご依頼の多い機種別のオーバーホール範囲外となる修理内容について
- ライカM型(ライカM6以降の機種は修理できません)
ライカM型のオーバーホールは、ファインダーの分解清掃、距離計調整、シャッター機構部分解整備および速度調整、巻き上げ機構部の分解整備、各部清掃を行います。これを越える有償修理で対応が多いものは、以下のとおりです。- シャッター幕交換
シャッター幕が経年劣化している場合、交換が必要です。交換するとシャッター幕が柔らかいため、テンション調整を強くする必要がなく、シャッター音が静かに、そして巻き上げも柔らかくスムーズになります。交換するシャッター幕は新品です。 - ファインダープリズムブロック再構成
ファインダーが突然真っ暗になるブラックアウトや、鮮明に対象が見えない場合、ファインダープリズムブロックのバルサム劣化あるいは反射面の不良が原因です。この場合プリズムブロックの構成部品を分解し、反射面を再蒸着し、元通りプリズムブロックを構成することで修理が可能です。新品同様のすばらしい見え方となります。 - フレーム部品交換
M型はフレーム部品が薄いガラスにバルサムで貼り付けてあり、そのバルサムが劣化すると二重像部にカビのような影や、黄色い色の着色が認められます。軽い着色だけなら使用に問題はありませんが、影が出るようですとピント合わせに支障をきたします。従来この修理は移植による交換しかありませんでしたが、弊社では最近交換用部品を製作いたしました。これに交換することで性能を回復できます。なおM3、M2/M4、M5用を個別にご用意してありますが、M5用はオリジナルと少しフレーム形状が異なります。詳細はお問い合わせください。 - ドラム割れ
M型ライカはシャッターリボンを制御するドラム部品の損傷が起こることがあります。十分な整備がされていないM型ライカで発生する致命的な故障で、交換部品を常時ご用意することができません。修理についてはお問い合わせください。 - グッタペルカはがれ
ライカM 型のグッタペルカは樹脂素材で、いくつかの破片に分かれてしまった場合修復が可能ですので、破片をなくすことなくお持ちください。なお破片がなくはがれた部分がある程度大きい場合には、別素材による全体貼り替えとなります。オリジナルではありませんが、外観は綺麗になります。
- シャッター幕交換
- バルナックライカ
バルナックライカのオーバーホールは、ファインダーの分解清掃、ハーフミラー交換、接眼部目当て割れ交換(Ⅱf、Ⅲf、Ⅲgに限る)、距離計調整、シャッター機構部分解整備および速度調整、巻き上げ機構部の分解整備、各部清掃を行います。
これを越える有償修理で対応が多いものは、以下のとおりです。- シャッター幕交換
シャッター幕が経年劣化している場合、交換が必要です。交換するとシャッター幕が柔らかいため、テンション調整を強くする必要がなく、シャッター音が静かに、そして巻き上げも柔らかくスムーズになります。交換する新品の幕はライカ専用幕です。 - グッタペルカはがれ
パルナックライカのグッタペルカは樹脂素材で、はがれた場合には貼り直し修理が可能です。いくつかの破片に分かれてしまった場合でもきれいな修復が可能ですので、破片をなくすことなくお持ちください。なお破片がなくはがれた部分が大きい場合には、別素材による貼り替えとなります。オリジナルではありませんが、外観は綺麗になります。
- シャッター幕交換
- ライカレンズ各種
ライカのレンズは原則として1980年以降のものは弊社では修理できません。
- G1レンズ再研磨
レンズの表面に傷が生じて撮影結果に悪影響がある場合、再研磨修理で性能を復活させることが可能な場合があります。またレンズのクモリが清掃では除去できない場合も、再研磨が必要です。再研磨後は必要に応じてコーティング処理も行います。ただしマルチコートはできません。
再研磨後はレンズのピント位置の調整が必要ですが、再研磨修理はレンズのオーバーホールと組み合わせでご依頼をいただくことなりますので、ピント調整は必ず実施いたします。なお中玉については、ほとんど場合再研磨修理はできません。 - レンズバルサム切れ
レンズのバルサム貼り合わせ面が劣化し、バルサム切れが生じている場合には、バルサムの貼り直し修理が可能です。ただしレンズがカシメ止めで外れない場合は修理不能です。また最近のレンズはバルサムではなく、紫外線硬化樹脂などの接着剤で貼り合わせれており、この場合には貼り合わせされたレンズを剥がすことが困難な場合がほとんどで、残念ですが修理不能です。 - ヘリコイドガタ
落下などの強い衝撃により、ヘリコイド部品が歪んだ場合、ヘリコイドの回転がスムーズになるようにする修理が可能な場合があります。損傷の程度がひどい場合、修理不能となります。長年の使用によるヘリコイドの摩耗の場合、修理できるかどうかは損耗の程度によります。
- G1レンズ再研磨
- ローライフレックス、ローライコード
ローライフレックスは2.8F/3.5Fまで修理可能です。
- 反射ミラー交換
二眼レフカメラでは、上部ファインダー内部の反射ミラーが劣化して腐食していることがよくあります。この場合規定の厚さの新品反射ミラーに交換することで、完全な修理が可能です。 - G1レンズ再研磨
レンズの表面に傷が生じて撮影結果に悪影響がある場合、再研磨修理で性能を復活させることが可能です。コーティングも可能です。ただしローライフレックス2.8シリーズのプラナー80mmF2.8の最前面レンズは2枚貼り合わせのため、接着剤がはがれない場合再研磨できません。 - バルサム切れ
ローライフレックス2.8シリーズのプラナー80mmF2.8の最前面レンズ、およびテレ・ローライフレックスの後群バルサム貼り合わせ面が劣化し、バルサム切れが生じている場合、接着剤がはがれれば修理は可能です。ただし数ヶ月から数年かかるため、状況によってはお断りする場合がございます。
- 反射ミラー交換
- 二眼レフ各機種
- 反射ミラー交換
二眼レフカメラでは、上部ファインダー内部の反射ミラーが劣化して腐食していることがよくあります。この場合規定の厚さの新品反射ミラーに交換することで、完全な修理が可能です。
- 貼り皮交換
貼り皮の素材の問題あるいは経年劣化により、分解整備の際貼り革を貼り替える必要がある機種がございます。例えばツァイス・イコン社のイコフレックスなどです。貼り替え費用が必要になる場合には、事前にご案内いたします。 - G1レンズ再研磨
レンズの表面に傷が生じて撮影結果に悪影響がある場合、再研磨修理で性能を復活させることが可能です。コーティングも可能です。
- 反射ミラー交換
- ニコンS型
- シャッター幕交換
シャッター幕が経年劣化している場合、交換が必要です。交換するとシャッター幕が柔らかいため、テンション調整を強くする必要がなく、シャッター音が静かに、そして巻き上げも柔らかくスムーズになります。交換するシャッター幕は新品です。 - ファインダーブロック再構成
ファインダーが突然真っ暗になるブラックアウトや、鮮明に対象が見えない場合、ファインダープリズムブロックのバルサム劣化あるいは反射面の不良が原因です。この場合プリズムブロックの構成部品を分解し、反射面を再蒸着し、元通りプリズムブロックを構成することで修理が可能です。新品同様のすばらしい見え方となります。
- シャッター幕交換
- ニコンF、F2系
- プリズム銀浮き
アイレベルファインダーの蒸着反射膜の傷み(銀浮き)がある場合、再蒸着修理が可能です。ただし修理後もわずかに筋状の痕跡が残る場合があります。 - メーター修理
フォトミックファインダー(CdS式)のメーターが動作しない場合、修理できる場合がございます。ご相談ください。
- プリズム銀浮き
- ローライ35
- 露出計動作不良
配線修理で直る場合にはオーバーホール範囲内の処置となります。メーター部品不良の場合には、有償で部品交換となります。なおLED式のものは修理できません。
- 露出計動作不良
- 蛇腹式カメラ
- 蛇腹不良による漏光
蛇腹式のカメラでは、蛇腹が経年劣化で傷んでおり漏光が発生している場合、補修で修理できるケースと蛇腹を新品交換するケースがあります。弊社で常時在庫していない蛇腹は、特注で製作することが可能です。
- 蛇腹不良による漏光
以上、カメラやレンズの修理に関しては、弊社は豊富な経験と実績がございます。
修理には最善の努力をいたします。ご不明の点は弊社受付まで遠慮無くご相談ください