今月の一枚

2017年4月 ローライフレックス3.5Fホワイトフェイス クセノタール75mmF3.5

正面から

背面にEV値の換算表がある

この時代の前キャップはプラスチック製

フードを装着して撮影体勢としたところ

フィルム室側のローラーの間を通す

底蓋のロック機構

クセノタール75mmF3.5レンズ

メーターカバー付きの本革ケース

三社祭が近い F11 1/250

ハヤタ・カメララボ前 F5.6 1/60

ガード下 F3.5開放 1/30

駅見世 F8 1/250

東京スカイツリー F11 1/250

隅田川公園脇桜並木 F8 1/250

つい先日まで委託品の棚に、新品のように美しいローライフレックス3.5Fのホワイトフェイスモデルが並んでいました。この伝統あるローライフレックスのF3.5シリーズ最終型には、シュナイダー社製のクセノタール75mmF3.5レンズが装着されています。いままでこの「今月の一枚」でいろいろなタイプのローライフレックスをご紹介してきましたが、いずれもカール・ツァイス社製のプラナーレンズが装着されたモデルばかりでしたので、今回はじめてクセノタールレンズで撮影した写真を掲載することにいたしました。

第二次世界大戦後ローライフレックスの生産は、オートマットIII型後期モデルから再開されました。この時代カールツァイスが東西に分断されたため、レンズはイエナ・テッサー、オプトン・テッサー、さらにシュナイダー社のクセナーなどが混在しています。ローライフレックスは1949年に2.8Aと呼ばれるテッサー80mmF2.8付きのモデルが登場し、以後F2.8とF3.5の2系統に分かれました。

F3.5系列はローライフレックスV型から3.5Dの時代まで、テッサー75mmF3.5かクセナー75mmF3.5が装備されていましたが、1956年に登場したローライフレックス3.5E型から、カール・ツァイスのプラナー75mmF3.5とシュナイダーのクセノタール75mmF3.5のいずれかを備えるようになります。最終型の3.5F型は1959年に登場し、ピントフードが脱着式となってアイレベルプリズムファインダーや高倍率ファインダーの装着ができるようになるなど、二眼レフカメラとしての完成度が極まったモデルです。

3.5Fは生産期間が長いのですが、1970年頃から登場した最終型はレンズ鏡胴周囲の部分の模様がなくなり、俗にホワイトフェイスと呼ばれています。この時代二眼レフカメラは人気がなくなっており、その生産台数は少ないものです。そしてローライフレックス3.5Fは1979年に、2.8Fも1981年に生産終了となりました。

当時の販売価格はプラナー付きの方がクセノタール付きより高かったので、中古市場での販売価格も同じ程度ならプラナー付きのほうが高いですが、レンズの描写性能についてはプラナーもクセノタールも甲乙つけがたい名レンズです。クセノタール75mmF3.5レンズで撮影した今回も、その撮影結果にたいへん満足しました。

弊社では1980年製造までのローライフレックス、ローライコード全機種の整備が可能です。遠慮なくご相談ください。

フィルムはフジ160S