今月の一枚

2005年12月 プリモJR トプコール60mmF2.8

正面右側から。

ボティ内部。ふところには内面反射防止の遮光板が設置されている。

マコカラーUCN200とマコフォトUP100

作例1 絞りF4 1/125  マコカラーUCN200

 

解説

プリモJRは、東京光学が1958年に発売したベスト判(127判)フィルムを使用するコンパクトな二眼レフです。東京光学は1950年にプリモフレックス(1型)を発売し、6×6判二眼レフカメラに参入しました。折からの二眼レフブームに乗り、プリモフレックスは徐々に進化しながらいろいろな機種が発売されましたが、1957年のオートマットL型が最後となります。このプリモフレックスについては、写真工業2006年2月号に記事を書きましたので、来年1月20日発売をお楽しみにお待ちください。

さてプリモJRは、120判フィルムを使用するプリモフレックスが終了した後に登場しているわけで、機能的にはオートマットLをそのまま小型化したと言ってよいものです。かわいらしいボディに意外と高級感あふれるデザインが良くマッチし、性能も東京光学が誇る3群4枚テッサータイプのトプコール60mmF2.8を搭載、撮影できる画質は非常に素晴らしいものです。4x4cmフォーマットの元祖はベビーローライフレックス(1931年)ですが、このシリーズが最後までノブ巻き上げだったのに、プリモJRはクランク巻き上げになっているなど、性能的には本家を凌駕する部分もあります。

問題は使用するフィルムですが、現在は弊社および早田カメラ店では、ドイツのマコ社が製造しているカラーネガフィルム、マコカラーUCN200(ISO200 735)とモノクロネガフィルム、マコフォトUP100(ISO100 630)を販売しており、これらのフィルムで撮影を楽しむことができます。以前はカラーリバーサルのマコクロームUCR100もあったのですが、現在は製造中止となっております。(現在はすべてのフィルムが生産終了しています)

プリモJRは今でも人気が高いカメラの一つで、デザインのかわいらしさとその写りの良さで、二眼レフが好きな方でなくても手元に置きたいカメラのひとつではないでしょうか。

なおブリモJRやベビーローライフレックスといった小型二眼レフの整備は、弊社におまかせください。プリモJRのオーバーホール料金は30,000円(税別)です。