今月の一枚

2015年3月 イコンタ35 クセナー45mmF2.8

201503_camera1L

斜め前から。

斜め前から。

格納したところ。

格納したところ。

背面から。

背面から。

フィルム室。

フィルム室。

Xenar 45mmF2.8レンズ。

Xenar 45mmF2.8レンズ。

作例1 鳥居 F8 1/250

作例1 鳥居 F8 1/250

作例2 大提灯 F8 1/250

作例2 大提灯 F8 1/250

作例3 雷門 F8 1/250

作例3 雷門 F8 1/250

作例4 龍 寒緋桜 F5.6 1/125

作例4 龍 寒緋桜 F5.6 1/125

作例5 蛇善 F8 1/250

作例5 蛇善 F8 1/250

イコンタ35は、1926年にツァイス・イコン社が成立した後、はじめての自社製カメラとなった蛇腹折り畳み式カメラであるイコンタの流れをくん だ35mm判小型カメラです。イコンタにはフォーマットの違いで7種類が知られていますが、イコンタ35はその中で最小のカメラです。また販売は戦後 1947年頃からで(戦前の1939年頃という説もある)、最後のイコンタでもあります。

当時35mm判小型カメラの分野では、ナーゲル工場を発祥とするドイツ・コダック社が「レチナ」シリーズを販売して大成功を収めており、ツァイス・イコン社としても対抗機種を出す必要に迫られて、戦前から開発が進められていたそうです。イコンタ35はイコンタの名前のとおり、蛇腹折り畳み式のボディで、前蓋が下に開くと同時に前板部が前にでて撮影体勢になります。一見するとわかりません が、前板部の後には蛇腹が隠されています。距離計はなくピント合わせは目測式、シャッターはグレードにあわせて普及型のクリオやプロンターS、コンパー、 シンクロコンパーなど何種類かあります。

イコンタ35に装備されたレンズは、ツァイスのトリプレットタイプのノバー(Novar)45mmF3.5、高級タイプにはテッサー (Tessar)45mmF2.8が装着されました。1949年~1951年にかけて、一時期だけシュナイダー社のクセナー45mmF2.8レンズが装着 されたことがあり、今回ご紹介したカメラはこのモデルに相当します。

フィルムの装填は裏蓋がヒンジで開閉するので、容易です。フィルム巻き上げノブおよび巻き戻しノブはボディの下側に配置され、このためコマ数計もボディ底部にあります。後期型にはアクセサリーシューがつきました。

イコンタ35はたいへんコンパクトでありながらとても撮影しやすいカメラで、特にレンズがテッサーやクセナーがついているモデルでは、撮影結果もたいへんに良好です。常時携帯して使うカメラとして、お勧めできるカメラのひとつです。

なおイコンタ35は1951年頃からコンティナⅠ型(Contina)としても販売され、1953年にはイコンタ35は販売終了、その後は 1955年頃までコンティナ1型として販売が継続されました。またこのイコンタ35をベースにして、連動距離計と単独露出計を装備した高級機として開発さ れたのが、戦後のツァイス・イコン社の名機として名高いコンテッサ35(Contessa35)です。

弊社ではツァイス・イコン社のカメラ全般の整備をお受けいたしております。どうぞ遠慮なくご相談ください。

★撮影フィルムはすべてフジ業務用フィルム(ISO100)