今月の一枚

2016年9月 トプコン・スーパーD + REオートトプコール58mmF1.4

Beseler Topcon Super D + RE Auto Topcor 58mmF1.4

直線主体で構成されたフォルムが美しいカメラ
直線主体で構成されたフォルムが美しいカメラ

ペンタプリズムは着脱式

ペンタプリズムは着脱式

各部の配置は標準的。巻き戻しクランク基部にホットシューアダプターが装着可能

各部の配置は標準的。巻き戻しクランク基部にホットシューアダプターが装着可能

底部に様々な操作機構が配置されていることが特徴的

底部に様々な操作機構が配置されていることが特徴的

フィルム室

フィルム室

F1.4開放 1/15

F1.4開放 1/15

F5.6 1/60

F5.6 1/60

F5.6 1/60

F5.6 1/60

F5.6 1/125

F5.6 1/125

東京光学機械株式会社は、わが国の光学機械メーカーとしては老舗のひとつで、戦後間もない時期から様々なタイプのカメラを製造してきました。すでに二眼レフのプリモフレックスなどをご紹介しています。35mm判フォーカルプレーンシャッター式一眼レフへの参入も早く、昭和32年(1957年)に発売したトプコンRは、アサヒフレックス、ミランダに続いて国産では3番目の登場でした。当時最先端のクイックリターンミラー機構と着脱式ペンタプリズム機構を備えた高級機でした。R用のトプコールレンズも高性能揃いで、国産初の大口径望遠レンズであるトプコール135mmF2やトプコール300mmF2.8など驚くようなハイスペックなレンズが登場しました。トプコンRのレンズマウントは、世界初の35mm判一眼レフカメラ、ドイツのイハゲー社のキネ・エキザクタに備わったエキザクタマウントを採用していました。

昭和35年(1960年)に東京光学機械は東京芝浦電気株式会社と提携、これにより電子部品や電子回路の開発が容易となり、昭和38年(1963年)5月世界最初のTTL測光方式35mm判一眼レフカメラの栄誉に輝く、トプコンREスーパーを世に送りました。反射ミラー背面にCdS受光部を組み込んでいて、反射ミラー表面には極細のスリットパターンを描いて一部の光をCdS受光部に導くというもので、ミラーメーターと呼ばれました。開放平均測光でレンズの開放F値の補正も自動で行われるという初登場にして画期的なもので、このためレンズマウントは絞り連動機構が追加されたREマウントになりました。

REスーパーは特にアメリカで好評で、販売商社のベセラーの商標が追加されたベセラートプコンREスーパーは、政府関係や軍関係でも広く使われたことで有名です。REスーパーは昭和44年(1969年)3月に小改良を受け、昭和47年(1972年)にはミラーアップ機構とシャッターロックが備わった、スーパーDとなります。そして昭和48年(1973年)単三電池4本で駆動するコンパクトな専用ワインダーが標準装備されたスーパーDMとなり、これがトプコンの35mm判フォーカルプレーンシャッター式一眼レフの最終機となりました。全生産台数は10万台程度と数が少なく、そのうちのおよそ7割は輸出されたそうです。

なお今回使用したベセラートプコンスーパーDは、装備されている機構からみるとREスーパー改良型に相当するようです。国内モデルと輸出モデルで仕様が異なっていた可能性があります。

レンズのREオートトプコール58mmF1.4は名レンズとして有名で、その独特な描写が愛好家に好まれています。今回撮影に使用したレンズも、しっとりとした感じの描写が魅力的でした。

なお弊社では、トプコンの35mm判フォーカルプレーンシャッター式一眼レフと、トプコールレンズの整備を行っています。ただし露出計はすでに故障している場合、交換部品が入手できないため直せません。あらかじめご了承ください。

★作例写真 フィルムはフジ業務用フィルム(ISO100)