今月の一枚

2018年9月 ティランティST280 + アンジェニュー45mmF2.8

2018年9月 ティランティST280 + アンジェニュー45mmF2.8

2018年9月 ティランティST280 + アンジェニュー45mmF2.8

底部に会社名などの刻印がある

2018年9月 ティランティST280 + アンジェニュー45mmF2.8

左側の巻き戻しノブをせり上げたところ

2018年9月 ティランティST280 + アンジェニュー45mmF2.8

ボディ上部右側のノブはコマ数計セット用

2018年9月 ティランティST280 + アンジェニュー45mmF2.8

アパーチュアの側面は小さく波うっている

2018年9月 ティランティST280 + アンジェニュー45mmF2.8

F11 1/100

2018年9月 ティランティST280 + アンジェニュー45mmF2.8

F11 1/100

2018年9月 ティランティST280 + アンジェニュー45mmF2.8

F11 1/100

2018年9月 ティランティST280 + アンジェニュー45mmF2.8

F11 1/300

2018年9月 ティランティST280 + アンジェニュー45mmF2.8

F11 1/100

2018年9月 ティランティST280 + アンジェニュー45mmF2.8

F11 1/100

 

このカメラの製造元であるティランティ(Speciallites Tiranty)社は、フランスのパリで戦前から活動しているカメラメーカーで、レンズの製造やドイツからライカなどの輸入販売などを行っていました。モンテザールの刻印があるフランス製のライカⅢaは、この会社が発注したものだとのことです。

ティランティ社は戦後2種類のカメラを製造しています。ひとつは「コルベット」で1958年頃に作られた目測式の35mm判小型カメラです。ドイツのキング(Regula-Werk King KG)社のレグラ(Regula)のボディをベースで、シャッターやレンズなどはフランス製です。

もう一台が今回ご紹介するST280で1959年頃に発売されました。STは社名の頭文字です。ボディはコルベットと同じくレグラ製のようですが、連動距離計が備わった高級型で、独自のデザインのカメラに仕上がっています。ボディ底部にはMade in France – German Licenceと記されています。

シャッターはコルベットと同じアトス(Atos)2型で、1秒~1/300秒のレンジです。レンズはアンジェニュー社の特に名前のない45mmF2.8。トリプレットのようです。ピント調整は鏡胴基部に備わった直進ヘリコイドで行い、最短撮影距離は1mです。

フィルム送りはレバー式巻き上げで、セルフコッキング、ボディレリーズになっています。ボディ上部の両側にノブは、右手側がフィルムカウンター、左手側は巻き戻しノブです。巻き戻すときにはノブがせりあがって操作しやすくなるようになっています。

扱いやすい小型カメラですが、変な?ところもあって、ピントノブを無限遠位置にするとカメラの下側にノブが飛び出してしまい、平らに置くことが出ません。今回撮影に使用したカメラはフィルムのコマ間隔が安定せず、かなり広がってしまいました。アンジェニュー45mmF2.8レンズの写りは、作例の通り遠景では絞っても周辺減光が残ってしまいますが、近景から中景では独特の質感描写を感じました。弊社ではこのカメラの分解整備が可能です。

★フィルムはフジ業務用フィルムISO100